人にやさしい農業にむけて
『人にやさしい農業・環境にやさしい農業』に感心のある生産者・家庭菜園者は、毎年のように増えていると思います。
できるだけ農薬に頼らずに「野菜・果樹・花等」元気な作物を育てたいと思い、栽培する方々に提案しています。
ニームには、次のような話があります。
1959年に、アフリカのスーダンでイナゴの大群が発生しました。
この大群が過ぎ去った後、ドイツの昆虫学者がビックリしたのが『ニーム樹』だったのです。
それは、周りの作物等がイナゴに食い荒らされた中で、この『ニーム樹』だけは何の被害もなかったからです。
すぐに、現地の人に『ニーム樹』のことを尋ねると、『ニーム樹』はインドから種を持ってきたと言うことでした。
早速、ドイツの昆虫学者はインドに向かい、インドで『ニーム樹』の事を尋ねてみました。
すると、インドの人は皆『ニーム樹』を害虫が嫌い事を知っていたのです。
このことは、古来インドのアーユルヴェーダの記事にも記載されているほどに、インドでは『ニーム樹』のことを「神秘的な木」「不思議な木」「生命の木」「村の薬局」と呼ぶほどに彼らの生活に最も密着した樹だったのです。
それから『ニーム樹』が世界に知られるようになり、1985年ごろにアメリカ・ヨーロッパ等で本格的に研究されるようになりました。
1993年にニーム財団が設立され、インドでも古来から言い伝えられてきた『ニーム樹』の働きを本格的に科学的に実証等する動きが出てきました。
インド政府は、インド国内で毎年のように農薬の誤使用等で農民が約2~3万人なくなっていたことから、1998年から天然の農業資材として『ニーム』を使うプロジェクトを立ち上げ、現在もこのプロジェクトはニーム財団によって実行されています。
『ニーム樹』が日本に紹介された一つのきっかけが、2005年に開催された『愛・地球博』の国連・インド・スーダンのブースにあったと思います。
また、ニームに関する書籍として、以下がございます。
◎ ニーム 忌虫効果で無農薬を可能にするインドセンダン <ジョン・コンリック著>
◎ 人と地球を救う樹 ニームとは何か?<国際開発のための科学技術委員会編者>
日本国内で出版されています。
上記書籍いずれも、アメリカからの原文の訳本です。
その後、日本国内から数冊、ニームに関する本が出版されていますが、ニームを正確によく知りたいと思われる方は、ニーム財団のホームページから購入されて原文を読むのがニームを知る最大の理解者になると思います。
これらの原文は、実際にニームを研究した学者・研究者・医師等によって研究成果・結果等を詳細に書いています。
『NEEM a user's guide』は、2002年12月に出版されたニームを利用した医療及び農業分野について書かれた『よくわかるニーム』の本だと思います。
まずは、ニームに感心を持ったれたならば、『ニーム』の本を読むことをお勧めします。